京都は古くから、日本の中心地としても栄えてきたエリアです。この京都では、寺社を中心とし湯葉や湯豆腐などの精進料理が発展してきた場所でもあります。そのほかにも、庶民の知恵から生まれた伝統の京野菜を使った漬物、おばんざいなどもあります。京料理は日本が世界に誇る食文化でもあり、京都をせっかく観光するのであれば、郷土料理を思う存分味わいたいところです。
京都には数多くの温泉旅館が存在し、お部屋食を始めとし絶品の京都の郷土料理を味わうことができます。その一つに挙げられるのが、やはり湯葉料理といえるでしょう。湯葉は1200年前に中国から天台宗の開祖の最澄が持ち帰ったことにより伝わったといわれています。古くから寺の精進料理の素材としても使われてきたものです。一言で湯葉料理といってもバリエーションが非常に豊富です。生湯場の刺し身、湯葉春巻き、また出来立ての湯葉を楽しむことができる豆乳鍋など、さまざまな湯葉料理を堪能することができるでしょう。また近年では料理だけではなく、ドーナツやソフトクリームなどの、湯葉が使われたスイーツも非常に人気を集めています。
二つ目には湯豆腐が挙げられます。特に京都は水がきれいであり、このきれいな水でつくられる豆腐は絶品です。湯豆腐も精進料理の素材として使われてきたものです。湯豆腐は非常にシンプルな料理であり、豆腐の味や形が、食べ方などが旅館により異なります。ぜひ温泉旅館ごとの味を食べ比べしてみるのも楽しいでしょう。
そして昔から京都の家庭でつくられてきたお総菜がおばんざいです。旬の素材が使われた絶品のおばんざいは、京都の人たちの暮らしの知恵がぎゅっと詰まった郷土料理といえます。その中でも京野菜を使った料理が多いのが特徴であり、ヘルシーで体にも優しいと言えるでしょう。
そして上質な水と豊かな土地ではぐくまれた京野菜でつくられた京漬物です。味も種類も非常に豊富であり、京都の人たちは自宅でぬか漬けをしこむことも珍しくないといわれています。聖護院蕪を使った千枚漬、しば漬けなど、色とりどりの華やかな漬物は、味だけではなく目でも楽しむことができます。そのほかにも西京味噌で魚をつけ込んだ西京漬けやハモ料理、川魚料理や鴨肉料理など、様々な郷土料理がそろっています。バラエティー豊かで老若男女問わず楽しむことができる美味しい料理がたくさんあります。日本を代表する京都の郷土料理を、温泉旅館でぜひとも味わってみましょう。